福利・厚生Welfare
千葉県看護協会は、平成23年からワークライフバランス(WLB)推進活動を開始。現在、10地区26施設が活動に参加しています。当院看護部も平成28年度から参画し、今年で取り組み3年目を迎えています。
3年後のゴール 仕事と生活を両立しやすい職場環境に向けた改善を行う
(1)時間外労働時間の削減
(2)師長が労務管理に対して理解を深め、管理業務が行える
(3)満足度の高い看護業務ができる
(4)離職率の低下:10%未満を目標とする
成果指標(1) 時間外労働時間の削減
看護職員にアンケート調査を実施(平成29年2月)
「日勤の時間外労働時間となる原因はなにか?」
・アンケートを受けて
緊急入院への対応が圧倒的に多いという結果になりました。この結果を受けて業務改善を検討し、まずは看護記録や委員会・検討会への参加についての見直しから手をつけました。→平成29年度の取り組みで改善を達成
成果指標(2) 師長が労務管理に対して理解を深め、管理業務が行える
・WLBへの理解を深めるため、外部から講師を招いて研修を実施
(1)全職員対象
「医療従事者の勤務環境改善の概要について」(平成29年2月 氏原講師)
(2)管理者対象
「労働時間の管理に目覚めよう!」(平成29年10月 坂上講師)
このなかで、管理者対象の研修については映像として残し、当日参加できなかった看護管理者も含めて全員に見てもらい、内容を徹底しました。
・病院ホームページと電子カルテトップ画面に記事を掲載
WLBに取り組んでいることを院内に周知徹底するため、よく目につくところに記事を掲載。院内全員が取り組みについて知っているという状態を目指しました。
看護記録の改善
・夜間のSOAP記録を検討し、必要時は経時記録にした
・全入院患者に看護サマリーを作成していたが、対象の患者さんを整理した
・退院指導計画書をクリニカルパスにセット化し、作成の負担軽減を図った
→時間外労働の削減に大きく繋がりました
委員会・検討会
・開催時間を勤務時間外から勤務時間内に変更
→時間外労働の削減につながったことはもちろん、育児短時間を取得している看護師も出席しやすくなり、出席率も86.5%から90.3%に増加。ママさんナースのスキルアップや活躍の場が広がっていると実感しています
当初、調査の回収率の低さが見られ、職員が病院の取り組みに対して関心が低い風土であるのではないかと考えました。そこで、理解してもらうことに時間をかけ、「なぜWLBに取り組むのか」「WLBは、具体的にはどのような取り組みをするのか」など、丁寧な周知を図りました。
さらに、「WLBに対して共通認識を持つ」をテーマに、平成29年6月は師長へ、7月は主任に対して講義とグループワークを実施しました。
平成30年度は、3年目の取り組みとなりますが、以下のような課題に取り組んでいかなければなりません。自分の働き方を職員一人ひとりが考えられる組織風土にするには、職員全員が考えていかなければならないことだと位置づけ、魅力ある職場環境作りを目指しています。
・残務となる業務の業務調整をどのように行うか
・予定される時間外労働時間を管理者がどのように把握し管理するか
・緊急入院の対応についての見直し
・職員のやりがいをどのように引き出すか
・関心が低い組織風土の改善
まだまだ検討することがたくさんあります!!