■ CLOSE UP -当院で行われる治療方法や知っていただきたい医療情報などをクローズアップします。-

免疫療法について - 呼吸器外科より -

【はじめに】

 当院に勤務するにあたって、もう一つの理由は、長年研究していた肺がんの治療、特に免疫療法を続けることです。この治療には外科切除が必要なため、当院でそのシステムを構築するためもありました。
 私の治療は切除した転移のないリンパ節を用い、これを体外で大量に増やし患者さんの体内に戻す養子免疫療法で、これにより術後の再発率が大きく下がります。
 このため、病院での許可*を得て、お台場海浜公園虹橋クリニックと提携し、リンパ節のリンパ球(CTL)と樹状細胞を大量に培養を始めました。
 手術に関しては、長門、森本両氏にまかせ、私は免疫療法と治療の適応に関して受け持つことになりました。


※「原発性肺癌術後養子免疫療法に伴うリンパ節培養提供」
千葉県済生会習志野病院 倫理審査委員会
平成27年2月23日 承認
※ 免疫療法は健康保険の対象外で、全額自費となっています。
※ 免疫療法については当院の呼吸器外科で手術をされた症例のみが対象です。

【免疫療法とは】

 生体には本来、体外から異物が入ってくると、その異物(抗原)を攻撃し、排除しようとする働き(免疫)があります。がんに対してもその増殖を制御、排除しようとするとする免疫作用があります。この免疫の力を増強することによってがんを克服するというのが免疫療法です。

【治療方法】

 手術中、腫瘍摘出の際に転移のないリンパ節を約1~2gを無菌的に採取したものを「虹橋クリニック」に移管します。そこで2カ月間試験管内でリンパ節の組織培養をおこないます。その後自家腫瘍細胞に対して活性のあるリンパ球と樹状細胞が得られた場合に、冷凍保存します。この細胞(ATK-DC)をもとに免疫療法を開始します。 治療は「お台場海浜公園虹橋クリニック」にておこないます。

【免疫療法の術後成績】

 2007年から2012年までに行った千葉県がんセンター(注)での治療成績では、術後アジュバントとして免疫療法を行った群の成績が80%(術後5年)であったのに比べて対照群の手術のみの群は40%と有意に免疫療法群の成績が良好でした。
(注意:千葉県がんセンターでの肺がん術後の免疫療法は終了しています。)

出典:Kimura H, et al.(2014) Randomized controlled phase III trial of adjuvant chemo‑immunotherapy with activated killer T cells and dendritic cells in patients with resected primary lung cancer. Cancer Immunol Immunother Published Online2014 28 September