■ 診療サポート部門のご案内

臨床検査科のご案内

検査科は専門分野別に業務を8部門に分け、医師1名、臨床検査技師18名で様々な検査を実施しています。患者さんとよく接する部門として心電図や超音波検査を行う生理検査室。採血した血液や尿を分析する生化学、血液、免疫、一般検査室。細菌やウイルスを扱う微生物検査室。手術や内視鏡検査によって切除された臓器の診断をする病理検査室および手術や吐血などで輸血が必要になった時に適合検査を行う輸血検査室に分かれています。現在、夜間休日は当直体制をとっておりますので緊急検査対応が迅速に出来ます。
システム化も順調に進み、検査結果はオンラインで電子カルテに反映しますので以前のように伝票が行ったり来たりということはなくなりましたが、検体だけは届かないことには仕事になりません。そこで病院内でも検査科にだけ検体搬送装置が設置されております。この装置は、外来採血室と救急外来につながっていて頻繁に利用されています。
2006年4月から外来迅速検体検査加算が保険請求できるようになりましたが現在の検査システムは構築当時から迅速対応という考えを全面に出して作り上げてきました。生化学検査は1時間以内に報告できます。血糖、血算、尿検査も15分ほどで報告が可能になりました。これは我々臨床検査技師ができる最大の患者サービスであると認識しております。患者さんにはあまり顔を合わせることはございませんが、検体1本1本のその向こうに患者さんの顔を思い浮かべ検査を実施しております。これを機会に検査や臨床検査技師についてご理解を深めていただければ幸いです。
検査科長 

生化学検査室  

血液・尿・髄液・胸水・腹水・消化管液・関節液などの材料を対象として、生化学的に定性定量分析を行っております。検体部門の中では項目数が多く、高い処理能力と精度管理が必要となります。 材料に含まれる蛋白質・脂質・電解質等の物質を、自動分析による化学反応・酵素反応・免疫反応などを多用し、臨床側からの要求に対してより迅速に、より柔軟に検査依頼に対応できるように努力しております。 緊急検体は検体到着後30分以内に結果報告し、緊急検査は24時間体制で行っております。

  主な検査
    ・ 肝機能検査(AST、ALT、γ-GTP、他)
    ・ 腎機能検査(BUN、クレアチニン、他)
    ・ 脂質検査(コレステロール、トリグリセライド、HDLコレステロール、LDLコレステロール、他)
    ・ 膠原病検査(RA、MMP-3、他)
* 特にMMP-3は骨破壊の進行度が数字でわかる検査として注目されています。

 

<検査項目と説明>

項目
説明
基準値
TP(総タンパク) 全身の栄養状態を反映
6.7~8.3g/dl
LDH 赤血球・肝臓・腎臓・心臓・骨格筋などに多く分布するためこれらの障害で上昇します。溶血すると健康でも上昇
119~229IU/l
AST(GOT) 肝臓病・心筋梗塞・血管疾患・筋肉疾患で上昇
33 ↓ IU/l
ALT(GPT) ウィルス性肝炎・脂肪肝で上昇
42 ↓ IU/l
総ビリルビン 肝臓病・血液疾患で上昇
0.2~1.3mg/dl
ALP 肝臓・胆のう・骨疾患・バセドウ病などで上昇(子供は高値)
115~359 IU/l
γーGTP 肝臓障害(特にアルコール性・薬剤性)で上昇
10~47 IU/l
コリンエステラーゼ 慢性肝臓病(脂肪肝を除く)・栄養不良・全身状態の悪化・有機リン剤中毒で低下
185~431 IU/l
CPK 骨格筋・心臓・脳などに異常があったり、激しい運動をすると上昇
男性60~287 IU/l
女性45~163 IU/l
BUN(血中尿素窒素) 血液中の老廃物で腎臓から尿中に排泄される。腎臓病で上昇
8~22mg/dl
クレアチニン 腎臓の働きが悪くなると上昇
男性0.6~1.0mg/dl
女性0.5~0.8mg/dl
尿酸 上昇すると通風・動脈硬化の原因となる
男性7.8↓ mg/dl
女性5.6↓ mg/dl
Na、Cl 血液中の塩分。むくみ・嘔吐・下痢・尿量の異常時や利尿剤投与時、意識消失時に検査
Na:138~146mEq/l
Cl:99~109mEq/l
K 腎不全・溶血検体で上昇
ホルモン異常・下痢・嘔吐で低下
3.6~4.9mEq/l
総コレステロール 上昇すると動脈硬化・脳卒中・心筋梗塞・狭心症などの病気を引き起こす
128~240mg/dl
TG(中性脂肪) 食事により大きく変動。上昇すると血管が詰まりやすくなる
30~150mg/dl
HDLコレステロール 善玉コレステロール
41~96mg/dl
LDLコレステロール 悪玉コレステロール
60~140mg/dl
CRP 炎症反応で上昇
0.3 ↓ mg/dl
SAA CRPより顕著に反応
8.0 ↓ μg/ml
MMP-3 骨破壊の予後予測の指標
男性36.9~121ng/dl
女性17.3~59.7ng/dl
RF リウマチ・強皮症等で上昇
20 ↓ IU/ml

 

血液検査室

血液検査室は大きく分けて主に2種類の検査を行っています。

血液中の赤血球や白血球、血小板に代表される、細胞の数や形について調べる。
怪我や手術になどの出血の際に、身体が本来備えている出血を止める機能や、身体のどこかで血の塊(血栓)ができた時に、それを溶かそうとする働きを調べる。

これらの検査を行うことによって、貧血の有無やさまざまな血液の病気に罹っていないかを医師が判断する助けとなるのです。

●血液一般(血算)検査

<検査項目と説明>

項目
説明
基準値
白血球数(WBC) 細菌やウィルスが体内に侵入して来た時に、これらを攻撃し、排除する事で感染症などに対する、体の防御の働きを担っている細胞の数です。白血球は好中球、好酸球、好塩基球からなる顆粒球と、単球およびリンパ球からなっています。
4000~ 8000 /μl
赤血球数(RBC) 体の隅々まで酸素を運んでいる細胞の数です。貧血の有無や多血の診断に用いられます。

男性 410万~ 530万 /μl

女性 380万~ 480万 /μl

ヘモグロビン(血色素量) 赤血球の中にあり、酸素と結合して肺から取り入れた酸素を体中に運んでいます。
男性 14~ 18 g/dl
女性 12~ 16 g/dl
ヘマトクリット(Hct) 血液中に赤血球の占める割合を体積%で示したものです。貧血で低下し、多血症では高くなりますが、脱水など血液の濃縮でも高くなります。
男性 40~ 50 %
女性 34~ 42 %
血小板数(PLT) 出血が起こったときに血液を凝固させ、血栓をつくって止血する働きがあります。血液や肝臓の病気などで減少し、極端に減れば青あざができたり血が止まり難くなります。
14万~ 30万 /μl

 

●血液凝固検査

体のどこかで出血が起こった時の止血反応は、血小板が集まって血栓を作ると同時に、血液中の凝固因子が反応してフィブリンを生成することで完成し、より確かな止血血栓が形成されます。この反応には、外因系凝固過程と内因系凝固過程と呼ばれる2種類があります。
また、出血が止まった後にはからだの正常な働きとして、フィブリン血栓を溶かして取り除く反応がおこります。これを線溶反応と呼んでいます。これらの反応にかかわる因子には多くの種類があって、そのどれか一つが減少してもうまく止血が行われません。血液凝固検査はこの反応について調べるものです。これらの因子の中には肝臓でつくられるものがあり、重症の肝機能障害があれば、出血が止まりにくくなることがあります。
これら凝固系と線溶系の検査としては以下の項目があります。

<検査項目と説明>

項目
説明
基準値
PT(プロトロンビン時間) 外因系凝固能を総合的に反映するスクリーニング検査です。
ワーファリンなどの経口抗凝血療法では値が大きくなります。
10.0~ 13.0 秒
APTT(活性化部分トロンボプラスチン時間) 内因系凝固能を総合的に反映するスクリーニング検査です。
20.0~ 40.0 秒
フィブリノーゲン量 肝臓で産生されるたんぱく質です。感染症、悪性腫瘍、血栓性疾患の急性期などで増加し、肝障害や体内での凝固反応による 消費亢進で低下します。
200~ 400 mg/dl
トロンボテスト ワーファリン投与の時に値が大きくなります。
70 %以上
ヘパプラスチンテスト 主に肝機能検査として測定され、肝臓実質の障害で低下します。
70~ 130 %
ATⅢ(アンチトロンビン) 血栓症やDICなど体内で凝固反応が起こり消費されると低下します。
肝臓で作られるため、肝機能障害でも低下します。
79~ 121 %
FDP、D-ダイマー 体内で起こる線溶反応で生じるフィブリンの分解産物です。
FDPの増加は体内での線溶の亢進を、D-ダイマーの増加は血栓性疾患などの凝固亢進状態を示しています。
FDP 4 μg/ml以下
D-ダイマー 1.0 μg/ml未満
血沈(赤血球沈降速度) 促進する時と遅延する時で病態は異なりますが、促進する方が臨床的に意義が高いです。貧血、感染症や膠原病などの炎症性疾患をはじめ、悪性腫瘍や心筋梗塞など体内で組織の障害や崩壊をともなう疾患等で促進します。
赤血球増多症、DICなどのフィブリノーゲンが低下する時には逆に遅延します。
1時間値
男性 2~ 10 mm
女性 3~ 15 mm

 

微生物検査室(認定臨床微生物検査技師研修施設)

担当技師2名(1名は認定臨床微生物検査技師)

業務内容

*一般業務 患者さんから提出される、臨床材料(尿、喀痰、便、血液、etc)からの病原
微生物(細菌、真菌、ウィルスなど)の検出と、治療に有効な抗菌薬(抗生物質)
を調べて医師へ報告するという感染症の診断治療に直結した検査を行っています。
*感染管理 院内感染対策委員会に参画し、院内感染防止について医師、看護師等との定期的な話し合いを行っています。また、検査室で収集した正確な情報に基づき院内感染の防止策を講じたり、職員に対する啓蒙活動を行い感染防止に対する意識の向上、改革を図っています。

 

一般検査室

尿・便・脳脊髄液・胸水・腹水・精液などの性状、成分の分析を行っています。

業務内容

① 尿検査
尿定性:タンパク・糖・潜血など、最大9項目を試験紙で調べています。
尿沈渣:尿中に出現した有形細胞(赤血球、白血球、尿細管上皮細胞、細菌、結晶など)を機器にて判定し、より詳しく技師が顕微鏡下で観察、判定しています。
② 便検査
便潜血検査:専門の容器で採取された便中に血液が混ざっているかどうかを検査して います。
寄生虫検査:寄生虫感染が疑われる場合、便を採取し、虫卵・虫体の有無を調べます。
③ 脳脊髄液検査 
脳脊髄液は中枢神経系に直接接して存在していることから、その様々な病態を反映し ます。CTやMRIなどの画像診断が発展した現在でも中枢神経疾患診断に欠くことの できない検査の1つとされています。
当検査室では、細胞の数・種類を顕微鏡下で観察し、タンパク・糖などの生化学性状 を測定します。細菌などが見られる場合、微生物検査室に確認を依頼します。
④ 穿刺液検査(腹水・胸水) 
体内の炎症や悪性腫瘍などにより出現したものか、それ以外(うっ血、浮腫など) の原因で出現したものなのかを調べます。
⑤ 精液検査
精子の数・運動率・奇形率などを顕微鏡下で観察します。

 

輸血検査室

輸血検査室の業務は主に
①血液型検査、
②輸血や妊娠によって産生される不規則抗体の検査、
③輸血適合試験(クロスマッチ) の3つがあります。

これらの検査は輸血後副作用の発生を防ぐ為の重要な検査です。
当輸血検査室は、精度の高い輸血検査と、血液製剤・血漿分画製剤の一元管理を行う事で、安全な輸血医療を提供できる様に努めています。さらに千葉県でもほとんど導入されていない電子カルテと輸血管理システムによる最先端の患者認証輸血システムを採用し、患者誤認などの医療過誤を防止するため最善の努力をしています。また、当院では、以前より自己血輸血にも力を入れており、さらに安全性の高い自己血での手術も行っています。